仮設生活の孤独死、児童虐待、DVを防ぐ手段【岩手・花巻発】

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右から山口さん、寝占さん、小山さん=花巻市東和町の「とうわボランティアの家」で
右から山口さん、寝占さん、小山さん=花巻市東和町の「とうわボランティアの家」で

(ゆいっこ花巻;増子義久)

   「どのような世の中であっても、母と子が幸せに過ごせる社会であって欲しい」―こんな想いから震災後に支援組織を立ち上げた。「一緒にごはん!」「ママ友つくろう!」「赤ちゃんを救おう!」…。代表の寝占理絵さん=東京都世田谷区=の名刺の裏にはユニークなプロジェクトがずらり。


   最初は小学校の入学式用の衣類(フォーマルウエア)など支援物資の提供からスタートしたが、仮設生活の長期化に伴い、ボランティアへの対応や被災者のトラブルを一身に背負わなければならない仮設住宅の自治会長の悩みを知った。今年5月には宮城県南三陸町で第1回目の自治会長懇親会を開催した。


   今回は次のステップになる「一緒にごはん!」プロジェクトを展開するための被災地入り。「人は一緒にごはんを食べることで、心の距離がちぢまります。このプロジェクトは仮設生活で心配される鬱(うつ)や孤独死、児童虐待、夫婦間のDVなどを防ぐためにも有効だと考えています」と寝占さん。13日から約2週間陸前高田市に滞在し、被災者がそれぞれ持ち寄る食事を共にしながら、「晩餐(ばんさん)」や「共食」の大切さを語り合いたいという。


   今回のプロジェクトには愛知県半田市の大学生、山口将平さん(18)と東京都内で貿易関係の仕事をしている小山泰三さん(48)が同行した。2人とも被災地を訪れるのは初めて。「昨年は受験で来られなかった。今年の夏休みは是非と思い、インターネットで寝占さんのプロジェクトを知った」と山口さん。小山さんも「仕事の関係で東北に来ることは多いが、被災地の実態を目に焼き付けて帰りたい」


   映画製作やチャリティジャズライブ、自立支援バザー、通勤着支援、喪服支援…。寝占さんのプロジェクトは多岐にわたるが、「一緒にごはん!は是非、成功させたい」と意気込みを見せた。「とうわボランティアの家」に1泊した3人は11日早朝、陸前高田市に向けて車を走らせた。



ゆいっこ
ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
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