「迷惑空き家」が増えている 全国で約180万戸、自治体も頭が痛い

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   全国で空き家の増加が問題になっている。人口減少、核家族化などが原因とされるが、適切な管理がされないと、崩れて通行人にけがをさせたり、放火されて火事になったりなど防犯、防災上の大問題を起こしかねない。自治体もようやく対策に動き出した。

足立区は木造解体費用60万円補助

   2008年の総務省の調査によると、全国の空き家は757万戸。賃貸用や別荘などを除くと268万戸だが、これがすべて周囲に迷惑な空き家というわけではない。また、アパートやマンションを除く戸建ての空き家に限ると全国で181万戸あり、これが危険な「迷惑空き家」予備軍ということになる。東京都内では空き家75万戸のうち、用途が賃貸などではない「その他」が19万戸あることから、これが「迷惑空き家」の実態に近いとの見方を示す雑誌の特集記事もあった。

   このところ各マスコミで頻繁に取り上げられていることもあり、自治体の間に危機感が広がってきているのは確か。登記簿、戸籍などから所有者をたどり、行方を割り出して説得するのは、手間がかかる。ようやく家族に辿り着いても、「(所有者は)どこへ行ったか知らない」「関わり合いたくない」というケース、名義人が亡くなっていて相続人もはっきりしないような例もあるという。地縁の崩壊で家主が"消える"一面もあるのだ。

   そこで目立ってきたのが自治体の空き家条例。例えば東京都足立区は、2011年11月、老朽家屋に解体や回収を義務付ける都内で第1号となる条例を制定。解体すれば最大木造で50万円、非木造で100万円補助する規定を設けた。前年、古い建物の外壁が崩れ歩道に落下する事故があったのがきっかけだという。区の調査では、老朽化で倒壊の恐れがある建物は1700軒以上、うち50軒超は特に危険と診断され、今春から一部解体が始まっている。

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