尖閣上陸は中国の予行演習? 「武力占拠」の可能性はあるのか

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強制送還でも、上陸が繰り返される可能性

   武貞秀士氏によると、中国からは今後、漁民を装って、数百人もが尖閣諸島に上陸し、人民解放軍や海軍の服装に着替えて占拠してしまう恐れがある。そこに中国海軍の船が駆けつけて、尖閣を武力支配するに至るというシナリオだ。

   産経新聞サイトの2012年8月16日付記事でも、民間人を偽装した海上民兵らによる同様なシナリオの尖閣占領危機を指摘している。活動家メンバーの上陸は、このシナリオに向けた「予行演習」とも言えるというのだ。

   尖閣を巡る事情に詳しい岡本隆司京都府立大准教授(近代中国史)は、中国が日本の国有化方針に反発する理由について、こう語る。

「日本は1879、95年にそれぞれ沖縄、尖閣を編入しましたが、中国はそのとき正式に合意したことはないという言い分なんです。中国では、属国と言って、自分の領土でなくても縄張り意識があり、中国側から見れば、未解決の問題ということです。ですから、ナショナリズムが高揚すると、そのような意識が噴出してくることになります」

   日本政府は、逮捕した活動家14人について17日にも中国に強制送還する方針だと報じられた。しかし、岡本氏は、それでも、中国にこのような意識がある以上、問題は未解決のまま残って上陸が繰り返される可能性が強いと指摘する。

「中国漁船の衝突事件のこともあり、強制送還なら弱腰と叩かれますし、いい影響があるとも思えません。難しい選択ですが、そこで腹をくくって、どう覚悟を決めるかが政治家の仕事だと思います」
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