12球団のスカウト「すぐ欲しい」 早くも桐光学園・松井投手の争奪戦

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   熱戦中の甲子園大会で桐光学園(神奈川)の松井裕樹投手が2012年8月16日の試合でまたもや19三振の快投を演じた。初戦で大会新記録となる22個を奪っており、2試合でなんと41三振。まだ2年生だというのにプロのスカウトは「すぐ欲しい」。あどけない怪物クンに周囲が熱くなっている。

2試合で脅威の「奪三振率 .719」!

   この日の2回戦の相手は優勝経験もある強豪の常総学院(茨城)。松井の左腕は恐れることなく三振の山を築いた。5回で10個。7回を終わったとき14個。残る2イニングでアウトすべてを三振に取れば20個になるところだったが、最後の打者は外野飛球だった。

   5点を失ったものの、観戦者は恐らく勝敗より三振の数に注目していたに違いない。1回戦の今治西(愛媛)では22三振という驚異の新記録をやってのけたばかり。2試合57アウトのうちバットに当たったアウトは16。実に7割を超える「奪三振率」だ。これほどわくわくさせる投手の出現はほんとうに久しぶりである。

   松井はストレートにカーブ、スライダーを投げる。145km/hの速球に加え、変化球のキレは抜群だ。落差が大きいカーブも一流だが、スライダーは対戦した打者が「消える」と表現したほどの超一級品。このスライダーは当初「カウントを稼ぐため」。それを「決め球」に格上げしたという。よほど自信がある球種なのだろう。

   どんな投手に似ているのだろうか。関係者の話を聞いてみると、まず挙がるのが名古屋電気(現愛工大名電)の工藤公康(元西武、巨人など)。大きなカーブを武器に1981年の第63回大会でノーヒットノーランを達成した。ただ体付きは松井の方ががっちりしており、豪快だ。キレの良さという点で鹿児島実の杉内俊哉(現巨人)タイプとの声も。迫力とスライダーで、駒大苫小牧の右腕田中将大(現楽天)を左投げにしたみたい、という見方もあった。

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