訪韓要請したのは李大統領なのに
日本メディアも痛烈に批判している。例えば、韓国批判は必ずしも多くない朝日新聞ですら、
「国家元首としての品格を失いかねないほど」
「民主化が進み、価値観が多様化した韓国では、『反日カード』も、かつてほどは効果がない」
と切り捨てた。
李大統領は08年4月21日に皇居で天皇、皇后両陛下と会見し、直接韓国訪問を要請してもいるし、過去には「日本に謝罪、反省を求めることはない」とも発言している。朝日新聞の「品格を失いかねない」との指摘は、過去の発言との不整合も踏まえているようだ。
日本政府も8月15日になって、韓国に対する反論を始めている。野田佳彦首相が「理解に苦しむ発言で遺憾」と述べたほか、玄葉光一郎外相は、発言について外交ルートで抗議したことを明らかにした上で、
「ナショナリズムを煽るような言動は、韓国のためにならない」
とも論評。藤村修官房長官は、緊急時に外貨を融通し合う日韓通貨スワップ協定について見直す可能性を否定しなかった。
また、自民党の安倍晋三元首相は、発言を「常軌を逸している」とした上で、李大統領を
「一国のリーダーの資格に疑いを持たざるを得ない」
と激しく非難した。