室伏の処分は日本の五輪誘致にもマイナス
国際舞台での交渉などを見ると日本はからきし弱い。スポーツ界も同様らしい。ロンドン五輪の終盤、耳を疑いたくなる出来事があった。IOC(国際オリンピック委員会)の選手委員に立候補したハンマー投げの室伏広治選手が候補取り下げの処分を受けたのだ。理由は「選挙活動違反」。
違反行為とは、1) 選手村のダイニングホールで選挙活動 2)iPadで候補者の写真を見せて活動 3)ダイニングルームで広告販促物を配った――などの疑い。日本は取り下げの理由説明を求めているが、クリーンなイメージの室伏選手、さらに日本のやり方を諸外国がどう見ているか。日本は五輪の東京開催を目指している。今回の件がマイナスに働くことは間違いない。
このように日本は競技で戦うことは評価されているのだが、ひとたび背広組が動くとおかしなことになる。WBCも五輪も問題が表面化してしまうと、収拾と解決が難しくなるし、後遺症も心配される。WBC不参加となれば、野球人気に影響するだろう。サッカーに全国の耳目が集まっている今、野球界は考えた方がいい。
(スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)