ハンマー投げ室伏広治選手の国際オリンピック委員会(IOC)の選手委員当選無効が騒動となる中、五輪選手出演のバラエティ番組で「放送事故」が起きたと話題になっている。
2012年8月13日夜放送された「ロンドン五輪2012 明石家さんま&櫻井翔&上田晋也のメダリスト生大集結祝勝会」に、卓球の福原愛選手や柔道女子の松本薫選手ら、五輪メダリストが多数出演した。
食堂で室伏選手から「なんか選挙……」
その中で、さんまさんが、各選手に五輪でのこぼれ話を聞くというシーンがあり、卓球女子の平野早矢香選手の番になった。平野選手は、選手村の食堂で室伏選手と接したことが印象的だったという。
そして、司会の嵐・櫻井翔さんに「何かお話はしたんですか?」と聞かれ、「なんか選挙……」「投票の……」と話してしまった。
室伏選手はIOCの選手委員に立候補していたが、選挙活動で規定に違反したとしてIOCによって当選を無効にされた。
IOCは詳細な理由を明かしていないが、日本オリンピック委員会(JOC)などが説明しているところによると、IOCから、室伏選手が禁止されている選手村食堂で選挙活動を行ったという指摘があった。
平野選手の発言は室伏選手が選手村食堂で選挙に関する、何らかの発言をしていたことを示すものとなる。番組では、隣にいた卓球の石川佳純選手が、「あれは取り消し……」と平野選手に小声で説明し、司会の櫻井さんが「競技と他の話をしたということなのかもしれませんけど、それで気がほぐれたりとかもあるんですか?」とすぐさま話題を切り替えた。
「見ててドキッとしたわ」
これがネットで「放送事故だ」などと話題になり、2ちゃんねるやツイッターには「見ててドキッとしたわ」「室伏の話題自体NGにしとけよスタッフもよ」といった声が出た。
ただ一方で、平野選手の発言だけでは、室伏選手が食堂でどこまで選挙に踏み込んだ活動をしていたのかは不明だ。室伏選手も食堂で選挙システムの説明をしたことは認めている。ネットでも「いや、さすがにこれだけでは違反行為の証拠とは言えない」という声があった。
室伏選手の当選無効を巡っては、IOCは他にも、室伏選手が使用を禁止されている「iPad」を使ってキャンペーンを行ったこと、選手村食堂で選挙のための配布物が見つかったことなどを指摘。
JOCは「違反にあたる活動はしてない」とIOCに反論。室伏選手は「関係者のiPadで選挙マニュアルのページを映して説明した」、配布物とされた携帯クリーナーも、一部友人に配ったが、指摘を受けて回収したと説明している。
IOCは12日に予定されていた選手委員の任命を延期した。ロゲ会長は「法律上の問題があり、決定に対する抗議も来ている。異議申し立てをする権利もある」と説明。室伏選手は11日の会見で「自分としては違反はしていないが、疑われたのは甘さと不徳の致すところ」と話していた。