国際基準金利LIBORの不正操作 日本の銀行の関与も取沙汰される

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2008年秋には一転、申告する金利を故意に引き下げ

   そしてリーマン・ ショックが起きた2008年秋には一転、申告する金利を故意に引き下げ、財務体質を健全に見せかけ、「国有化の危機」(ダイヤモンド前最高経営責任者=CEO)を乗り切った。そして、これには当局、具体的には英中央銀行のイングランド銀行幹部の関与疑惑もある。信用度が低い金融機関がお金を借りる場合は、金利は高くなる理屈だが、リーマン・ショック当時、金融界は極めて深刻な危機に陥っていて、経営に不安がある金融機関が市場からお金を調達できなくなり、資金繰りが行き詰まる心配があった。そこで、イングランド銀のタッカー副総裁がバークレイズに、LIBORのために申告する金利を低めに申告するよう誘導したといわれる。

   タッカー氏は疑惑を否定しているが、「金融危機を乗り切るために、当局と金融機関に『暗黙の了解』があっても不思議はなかった」と指摘する関係者もいる。正直に高い金利を申告して「危ない」と市場に評価される銀行が続出すれば、金融パニックに陥る懸念があったのは確かだ。

   ただ、LIBORは仕組みとして、1行では操作に限界がある。ドルの場合で18行が申告し、金利が高いもの、低いもの各4行分を除いた10行の平均値を出しているので、バークレイズだけが極端に高く(低く)誘導しようとしても、できるとは限らない。そこで、欧米の金融当局は、多数の金融機関が関与した可能性が高いと見て調査を続けている。バークレイズのダイヤモンドCEOが辞任したが、どこまで疑惑が広がり、辞任ドミノが起きるか、関係者は注視している。

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