「手段を選ばない感じで何かしっくり来ない」
この3人は離党して、大阪維新の会に入るのか。松野氏の事務所に取材すると、「本人でないと分からない」としながらも、独自の政治行動をした結果、「選択肢の1つとしてあるかもしれない」と明かした。みんなの党の2人については、小熊氏の事務所では、「その日は確かに大阪に行っていましたが、詳細は把握していません」と秘書が答えた。
政治アナリストの伊藤惇夫さんも、維新の会の意図について、政治団体のままでは選挙運動が制約されてしまうため、政党化が目的だとみる。
読売新聞が2012年8月11、12日に行った世論調査では、比例代表の投票先として、自民21%、維新の会16%、民主11%の順になっており、維新の会は、比例復活などで多数の当選者が出る可能性がある。週刊誌では、自民・民主と拮抗する100前後の議席予想が出ており、伊藤さんも、50~80議席は行く可能性があるとしている。
とはいえ、現職の国会議員を引き抜く手法が有権者にどこまで理解されるのかは未知数だ。伊藤さんは言う。
「維新の会は、既成政党にノーを突きつける形でスタートしたのに、手段を選ばない感じで何かしっくり来ませんね。民主や自民の議員も、維新ブームで受かりたいだけのように思えます」
候補の多くが選ばれるとみられる維新政治塾の888人が週刊ポストに漏れてしまったが、その多くが国政の素人だ。この点について、伊藤さんは、「素人感覚も必要で、参入は悪くない」としながらも苦言を呈する。
「チルドレンを言われた議員たちが、何か実績を残したのでしょうか。今回も、イエスマンになるだけの危険があると思います。既成政党がだらしないのは確かですが、じっくり政治家を育てることも必要なはずです。選挙後は、日本新党のときなどのように、より一層混迷する可能性はあるでしょうね」