韓国サッカー銅メダルはく奪あり得る 「政治的意図ない」の言い訳通用せず

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差別反対も「政治パフォーマンス」として処分

   処分が韓国チーム全体に及ぶかどうかも、IOCの裁定次第だ。ただ、韓国・中央日報電子版2012年8月13日付の記事は、チームの主将を務めた具滋哲選手が2点目を決めた後に「独島はわが領土」を表現するパフォーマンスを考えていたと明かした。結局は選手たちと万歳をしたが、これも領土問題に関して「少なからず意味を内包するパフォーマンス」(中央日報8月11日付記事)だったようだ。一方、朴選手の行動をチームメートがとめた、との話は聞こえてこない。チーム全体が何かしらの「意図」を持っていたのではとの疑念もわく。

   元JOC職員の伊藤公氏は、8月13日放送の情報番組「モーニングバード!」で「メダルのはく奪はあり得る」と話した。世界各地で政治問題が紛糾しているなか、世界中の注目が集まる五輪の場で自分たちの立場を訴えたいという国や地域は多いはずだ。それだけに、憲章の理念を無視した朴選手は「罪が重い」と伊藤氏は指摘する。処分の対象が朴選手個人か、チーム全体に広がるかについては、「IOCの判断による」と話すにとどめた。

   過去の五輪で、自身の「メッセージ」で処分された例はある。1968年のメキシコ五輪、陸上男子200メートルの金、銅メダリストはともに米国の黒人選手だった。2人は表彰式で、黒人差別に抗議するために黒い手袋をはめ、米国国歌の演奏中にその拳を突き上げた。これは、当時の米国の公民権運動で見られた差別反対の意思表示だ。IOCはこれを政治的パフォーマンスと断定。メダルははく奪しなかったが2人を選手村から追放し、米国代表チームから除名した。

   シドニー、アテネ、北京と五輪3大会に出場した元陸上選手の為末大氏は、ツイッターで政治と五輪に関して発言した。メキシコ五輪の「差別反対行動」について、当初は「黒人差別解放が進んだんだからいいんじゃないかと思っていた」が、その後は五輪精神の根幹にかかわることだと考えるようになったという。「スポーツは相当に意識して守らないと、世間に与えるインパクトが強いだけにすぐ政治の道具になってしまう」からだ。

   今回の朴選手の行動については、五輪の精神を攻撃したことに「日本人としてではなく、ひとりのオリンピアンとして」怒りを感じると発言。続けて「大事な事はあの選手が準備していた事を韓国選手団自体が把握していたかどうか、もしくは指示をしたかどうか、これを調査してはっきりさせる事が大事だと思う」としている。

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