(ゆいっこ花巻;増子義久)
「川で泳いだのは初めて。流れが速いのにびっくりした」―。総延長249キロを誇る、東北最大の大河・北上川に5日、福島っ子たちの歓声が響き渡った。「イーハトーブ」を満喫するプロジェクトの2日目は花巻市内を流れる同川を丸ごと体験しようという趣向。ガイド役は「北上川フィールドライフクラブ」(白畑誠一代表)のメンバー約10人。
「この川は岩手県北部に源を発し、宮城県の石巻市で海につながっています。しかし、河口の石巻市は今回の大震災で大きな被害を受けました。普段はおとなしい川も津波の時などは荒々しい姿に一変します」。白畑代表の注意を受け、まずは流れに身を任せる「川流れ」。川で泳ぐのは初めてという福島市立庭坂小6年の高橋幹君(12)は「プールに比べて川は底が見えないし、流れも思ったより速かった」と初泳ぎの感想。
この日は東京の多摩川などで川遊びを楽しんでいるという「流れたい(隊)」のメンバー6人も合流。その一人で東京在住のイギリス人、アダム・ケネディさ ん(45)は河畔の「イギリス海岸」の看板を見て目を白黒。イギリスのドーバー海峡の白亜の海岸を連想して、賢治がこう命名したという説明を聞き、「母国を思い出しました」とニッコリ。
「福島の子どもたちの苦しみは他人事ではない。可哀そうで今でも涙することがある」。南相馬市から花巻市に避難している泉田ユキイさん(68)はこの日の炊事班を買って出た。中華飯、鳥のから揚げ、夏野菜の煮つけ、酢の物…。「放射能の心配のない食事を腹いっぱい食べてもらいたいと思って」と泉田さん。久しぶりの同県人との再会に悲喜こもごもの表情を見せていた。
以下は写真で見る、福島っ子の「北上川」体験記…。
ゆいっこ
ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
ゆいっこは、「花巻」「盛岡」「北上」「横浜」「大槌」の各拠点が独立した団体として運営しておりますが、各拠点の連携はネットワークとして活用しております。
■ホームページ http://yuicco.com/
■ツイッター @iwate_yuicco