なでしこ「疑惑の判定」でPK逃す 米選手の「ハンド」を主審が「誤審」

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米紙「反則だとはっきり分かる位置にいた」

   米チームの選手も、ハンドがあったと認識していた。米「USAトゥデー」紙電子版では各選手の活躍を称える一方で、「最も重要なプレーとなったのは、ヒース選手のハンドだった」と伝えた。「まぎれもないファール」で、反則裁定が下っていたら日本にPKが与えられて同点に追いつかれていたかもしれない、という。さらに、この日2ゴールを決めた米MFロイド選手が「あれは明らかにハンドだった。彼女(ヒース選手)の腕に当たっていた」と語ったことに触れている。

   米「ニューヨークデイリーニュース」紙電子版は、試合結果を「米チームは実に、実にラッキーだった」と振り返る。問題のシーンについては、主審が「反則だとはっきり分かる位置にいたにもかかわらず、笛を吹かなかった」と批判した。主審の出身地、ドイツの日刊紙「ディ・ヴェルト」紙電子版は、「日米戦でのジャッジは素晴らしかった。『あれ』が反則だと裁定していたら」と指摘。同僚が試合前に、この主審を「世界最高の審判」と評価していた言葉を引用しつつ、「だがこの夜は違っていた。ヒース選手のハンドを見逃したのだから」と結んでいる。

   インターネット掲示板では、「誰が見ても誤審」と主審を非難する書き込みが並んだ。対戦相手の選手も認めているだけに、日本のファンにとっては、裁定が覆らない「悔しさ」はひとしおかもしれない。それでも、90分間の熱戦を繰り広げたうえで銀メダルを手にしたなでしこは、表彰式で誰もが満足げな表情を浮かべていた。

   USAトゥデー紙は、主審が「ハンド」をとらなかったことについて、試合後の会見で佐々木監督がコメントした内容を紹介した。記者に質問されて「何のことでしたっけ」と冗談で切り返した後、こう答えていた。

「主審が何を見ていたかは分かりませんが、私は主審の判定を尊重します」
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