当初偽った男子生徒「報復怖かった」
「本人は、根性焼きが強要されたことを話すことで、大事になって、同級生から報復されるのが怖かったと言っています。それで、なかなか本当のことを言えませんでした。学校は、どうしてそのことを察してくれないのでしょうか」
根性焼きの跡については、同級生がケータイで撮ってほかの生徒らに見せたりネット上に載せたりしており、「見せてやれ」と言われて見せたことが1回あるだけだとした。
タバコの火を押しつけた同級生は、男子生徒と親しく暴行には加わっていないが、3人のいじめに同調して2012年3月ごろから威圧的になったという。そして、根性焼きの日には、自宅マンションで男子生徒と階段踊り場に出て、「早くやれ」と命じた。男子生徒が「怖くてできない」と言うと、「そんな根性ないヤツは友だちじゃない」と脅し、男子生徒が1か所自分でやると、その後は22か所をこの同級生がやったという。
暴行した3人のうち1人は、「100円貸して」と言って男子生徒に貸すことを強要したりしたという。さらに、「根性焼きの口止め料」として10万円を持ってくるように言ったが、男子生徒はお金がないとして持って行かなかった。
男子生徒が通う私立高校の教頭は、取材に対し、3人については「いじめがあったと承知しています」と認めたものの、根性焼きした同級生については、「いじめかどうかは断定できません」と話した。それは、「合意があったと認識している」からだという。ただ、合意は強いられた可能性があり、教頭も、設置した再調査委員会で調べることを明らかにした。3人の暴行についても言い分が一致しないところがあり、改めて調べるとしている。
退学を求めたのは、男子生徒が根性焼きを積極的に見せているのを多数の生徒が目撃しているからだとした。しかし、8月6日の話し合いで男子生徒側から異論があったので退学処分を保留にしたと説明した。
なお、根性焼きした同級生は7月31日付で自主退学しており、暴行した3人は自宅謹慎処分にしたとしている。