「入れ墨見本市」と言われた埼玉県営プール 警察OB監視役起用でイメージ回復

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   かつて暴力団関係者らが訪れ「入れ墨甲子園」「入れ墨の見本市」などと呼ばれていた埼玉県の県営プールが、警察OBを採用した入れ墨チェックを行い、成果を上げている。メディアで報じられ、ネットでも話題だ。

   埼玉県には4つの県営プールがあり、2011年は77万人が利用。同年から入れ墨やタトゥーを入れた人の来場を禁止し、1年間に1800人を退場させた。

「イレズミだらけのヤクザがいっぱい」

   県の公園スタジアム課などによると、2010年まで入れ墨で入場するには水着などで隠すというルールを設けていたが、実際はむき出し状態の利用者も多かった。さらに、都内のプールが先に入れ墨を禁止したため、都心からも近い「しらこばと水上公園」(越谷市)に入れ墨客が集団で訪れる事態になっていた。

   ネットでも「入れ墨をしていても入れる首都圏のプール」として有名だった。入れ墨が禁止される前、2009年前後の掲示板やブログを見ると、

「連休にしらこばと行ったがイレズミだらけのヤクザがいっぱい来てた 健康ランドや温泉から締め出されたからプールは見せびらかすのに最適なんだね」
「『刺青甲子園』だった。喫煙場所は守らずプールサイドで吸ってるDQNもいたし、客の3割位はDQNなんじゃないか」
「和彫り&タトゥー率高いなw 恐るべし しらこばとw」

といった書き込みがたくさんあった。かなりの光景だったようだ。

警察OBは「暴力団関係者にモノが言える」

   そのため一般の利用者から「入れ墨が怖い」といった声が県に寄せられ、2011年に入れ墨、タトゥーの入場を禁止した。若者がオシャレ目的で入れる小さいタトゥーもダメだ。

   4つの県営プールそれぞれに県警のOBが警備統括責任者として就任。敷地内を巡回して入れ墨客のチェックを行っている。「場慣れしているので、暴力団関係者にもモノが言える」(埼玉県公園スタジアム課)のが強みで、ごねる客は別室に案内して説明している。2012年は8月5日までに、4つの県営プールに約32万5000人が来場し、570人を退場させた。

   しらこばと水上公園だけでは、土日だと1日に50~60人が退場となる。公園の管理課によると入れ墨禁止がこの一年で認知され、退場者数は3割ほど減った。家族連れが増えて、「安心して利用できるようになった」というメールが課に届くという。

   この取り組みは新聞でも報じられ、ネットでは「ヤクザが集団で県営プールで遊んでいるという光景が想像できない」「ヤクザがシノギで、刺青の人専用プール・銭湯・スポーツクラブ作ればいい」「本当はマナー悪いひとだけ退出させるのが筋なのだろうけど」といった声が出ていた。

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