「2世帯プラス単身の兄弟姉妹」が暮らす住宅に注目 大家族でも仲良く、「居場所」大切に

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大家族が集まれる「居場所」作り

   「2.5世帯」ではないが、「大家族」向けの住宅を開発する例はほかにもある。

   パナホームは、もうひと回り大きく、「大家族」が楽しめる二世帯住宅として新たに「つどいえ」を提案している。同社が行った生活者調査の結果では、二世帯住宅をつくってよかったと思う空間は、リビング(44.4%)やダイニング(22.6%)で、世帯間交流ができることを大きなメリットと考えている。

   半面、課題は玄関で収納量が不足していること(70.3%)やリビングが散らかる(40.6%)など、収納量の不足や、世帯間の使用範囲があいまいなことで生じるストレスだった。

   「つどいえ」では、家族の気配を感じながら思い思いに過ごせるオープンリビングや、二世帯で共有のサニタリーも収納スペースは世帯別に設けることで、お互いが気持ちよく過ごせる住まいを提案している。

   2009年4月に、「これからの二世帯住宅」として「ShareWith」(シェアウィズ)を提案した積水ハウスは、「共有」と「分離」のバランスをテーマに掲げた。「家族なので仲良く暮らしたい」という思いが強く、このときすでに約半数のユーザーが玄関やキッチン、お風呂のすべてを共有していたという。

   前出の東京大学大学院の大月准教授は、

「少なくとも、『一世帯=一住宅』の時代は終わりました。0.5世帯の存在を含め、自助的な形での大家族の可能性は増えていくし、それによって住まいも変わっていくのではないでしょうか」

とみている。

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