親と子どもの家族、それに単身の兄弟姉妹が同居する、「二世帯プラスアルファ」、いわば「2.5世帯」が注目されている。
同居している単身の兄弟姉妹は「家族の絆」を大切にしていて、ひと昔前の「うるさい小姑」的なイメージはほとんどないのが特色で、ファミリーへの経済的なサポートにも積極的だという。
旭化成ホームズは「2.5世帯」を提案
旭化成ホームズは、単身の兄弟姉妹もともに暮らす二世帯住宅の進化型として、へーベルハウス「2.5世帯住宅」を、2012年8月3日に発表した。
2010年の国勢調査によると、60歳代世帯主の家族では、これまで最多だった「夫婦のみ」に代わり、「親と単身の子ども」と暮らす世帯が最も多くなった。そこで同社が販売した二世帯住宅を対象に世帯類型を調査したところ、親世帯に単身の子供が同居しているケースが2割に達していることがわかった。
調査では、単身の子どもは84%がフルタイムで働いていて「自立」している場合が多いこともわかった。生活費(75%)や建設費(36%)を負担するなど、金銭的にも豊かで、「第二世帯」の住宅ローンの負担軽減にもつながっている。さらに、「親世帯」の母、「第二世帯」の妻をサポートし、就業率が高まったこともわかった。
同居している単身者は「家族の絆」を大切にしていて、「自分に子どもがなく、将来に甥や姪に住まいを譲ることになってもほとんど抵抗がない、と考えている人が少なくない」ともいう。家事を分担したり、困った時には助けてもらうなど、お互いにメリットを感じて仲良く暮らしているようだ。
「2.5世帯住宅」には、全員が集まれるダイニングスペースや同居家族が互いに本やCDをシェアできる空間などを設けている。半面、親世帯の生活空間を通らずとも単身用のマイルームへの動線を確保できるよう工夫するなど、プライバシーにも配慮した。
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の大月敏雄准教授は
「叔父や叔母がいっしょに暮らすことで、子どもの教育のうえで人間関係を学んだり、二世帯間の緩衝帯になったり、いい影響があります」
と話す。