「守護神」はドッジボール少女 キーパー福元「挫折」から奇跡の復活

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   ロンドン五輪でサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が、フランスとの激闘を制して決勝進出を決めた。ワールドカップ(W杯)との2冠達成まで、「マジック1」だ。

   フランス戦勝利の立役者は、ゴールマウスを死守し続けたGKの福元美穂選手。北京五輪での敗戦や大きなケガを乗り越え、大舞台で躍動した。

子どもの頃のあだ名は「アンパンマン」

   嵐のようなフランスの猛攻を耐えきった。英国時間2012年8月6日に行われた、サッカー女子の準決勝。後半20分ごろから、日本の選手たちは自陣でほぼ釘づけ状態となった。全員で守備に回るなか、最後の砦としてGK福元選手がフランス攻撃陣に立ちはだかる。後半26分、相手のシュートを左手1本で止めてみせると、同34分にはロングボールをパンチング、さらにこぼれ球が押し込まれそうになっても落ち着いて対処した。2-1と日本リードで4分間のロスタイムに入るが、防戦一方は変わらない。強烈シュートを正面でキャッチし、終了間際にも危うい場面があったが、判断よく飛び出して失点の芽を摘んだ。

   国際サッカー連盟(FIFA)の公式サイトによると、フランスが放ったシュート数は実に25本、コーナーキックは5本に上る。対する日本のシュート数は6本。いかにフランスが怒涛の攻撃を仕掛け、福元選手が封じたかが分かる。今大会では正GKとして、1次リーグの南アフリカ戦を除く4試合に出場し、失点はわずか2点と安定感抜群だ。

   福元選手はこれまで、どんなサッカー人生を歩んできたのか。南日本放送(MBC)が7月18日に放送した番組で、その一端が垣間見られた。福元選手の出身地、鹿児島県指宿市で小、中学生時代にサッカーを指導したという松下一志さんが、当時の様子を語っていたのだ。松下さんが運営していた子どもサッカーチームに、福元選手は小3で入団した。当時のあだ名は「アンパンマン」。GKに指名したのは、松下さんが子どもたちに「誰が一番ドッジボールがうまいか」と質問した際に、一斉に福元選手の名前が挙がったからだと明かす。本人は嫌がるそぶりを見せず、その瞬間に未来の「なでしこの守護神」が誕生した。

   中学の3年間は九州選抜、また3年生では16歳以下の女子日本代表にも選ばれた。代表チームに参加してキーパー専門のコーチから学んだ内容をノートに書きとめ、地元に戻るとそのノートを開いて練習の参考にしていたという。

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