1回のトラブルで何便も欠航が出る
もうひとつの問題が、機材手配の問題だ。大手航空会社であれば、仮に1機にトラブルが発生したとしても、別の飛行機を現場に向かわせて影響を少なくできる。ところが、LCCでは少ない飛行機を使い回してコストを下げているため、1回のトラブルで大きな影響が出る。
例えばピーチでは3月28日、CAが長崎空港でドアの操作を誤り、脱出用の滑り台を作動させてしまった。LCCでは修理用備品の在庫を最小限に絞っているため、新品の滑り台を取り寄せるのに時間がかかり、3日間で計13便の欠航を余儀なくされた。
ジェットスターは、7月28日にはバードストライクが原因で1便が大幅に遅れ、2便が欠航している。
これらの問題について、エアアジア・ジャパンの岩片和行社長は、
「今持っている(2機の)機材を出来る限り有効に活用しながら、1日のうちの飛行時間を最大化してコストを下げるというのが基本的なLCCの考え方だ」
として、予備機を導入する考えを否定。その上で、
「10機ぐらいに増えてくる間に余裕が出てくると思う。しばらくは申し訳ないが、限られた機材の中で運航していきたい」
と理解を求めた。