取得価格見直し報道で「足並みのズレ」露見
シャープには、翌8月3日にも大きな動きがあった。
シャープと台湾メーカーの鴻海(ホンハイ)精密工業は3月27日、鴻海がシャープ株の9.9%を1株550円で取得して筆頭株主になることで合意していた。だが、8月3日になって、合意について「鴻海が履行する必要はない」ことにシャープが同意した、とする文書を鴻海が台湾証券取引所に提出していたことが明らかになった。シャープの業績悪化で株価が大幅に下落していることから、取得価格見直しで損失を回避する狙いがあるとみられている。
仮に鴻海が取得価格を引き下げるとなれば、リストラ費用の捻出が危ぶまれるし、出資額を維持すれば、当初予定されていたよりも持ち株比率が高まり「鴻海支配」に拍車がかかる可能性がある。いずれにしても、シャープにとっては重大な局面だが、一連の動きに関する報道を、シャープでは、
「そうした事実はありません」
と否定。両社の足並みが揃っていないことが明らかになってしまった。
この日の公式ツイッターでは、
「実はちょっと泣いた」
と心が折れたようにも見えたが、読者から
「ツイート見て泣いた」
「がんばれ!」
といった応援メッセージが相次いだ結果、
「みなさま、RTや★、フォローやコメント、ありがとうございます。ご心配とご迷惑をおかけしている方々を思うと心苦しい限りですし、今後もこのような状況が続くのかもしれません。が、私たちにできることは、きっとまだたくさん」
「こんな日にフォロワー数2000越えた…けど、ありがとうございます、ほんとうに」
と、頑張っている様子がうかがえる。なお、★とは、読者がツイートを「お気に入り」に登録することを指す。
8月5日には、
「フォロワーさん、い、いちまん超えてて…打ち震えてる」
「みなさま…ほんとうにありがとうございます…ありがとうございます」
と、泣き顔を表す顔文字付きでツイート。急激な読者の伸びに感謝した。
週明け8月6日にも、波乱があった。同日午前の東京株式市場では、シャープ株が一時前週終値比16円安の176円まで下落。1974年11月以来、約38年ぶりの180円割れとなった。終値は181円だったが、それでも鴻海と合意した価格の3分の1の水準だ。
公式アカウントは、
「じぶんがここでできること、考えてる」
とツイートするのが精一杯だった。