風力発電なかなか進まない そうした中で洋上発電に期待

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   原子力発電の代替エネルギーの一つとして注目されている風力発電事業が意外に進まない。

   2012年7月に始まった電力の固定価格買い取り制度だが、資源エネルギー庁によると、全体の認定事業者数は7月25日時点で2万4764件になったが、その大部分が太陽光発電で、風力発電はわずかしかない。

家庭で風力発電して売電することが可能に

今後は「洋上風力発電」が注目される(写真は、三菱重工業の「風力発電プラント」のホームページ)
今後は「洋上風力発電」が注目される(写真は、三菱重工業の「風力発電プラント」のホームページ)

   小型風力発電などを手がけるゼファーは8月1日、国内で初めて、再生可能エネルギーの全量買い取り制度(FIT)の適用対象になる小型風力発電システムの発売を開始した。

   「エアドルフィンGTO forJ‐FIT」と名付け、価格は約130万円から(工事費除く)。超軽量・高効率の小形風力発電機にパワーコンディショナー、発電状況が室内で見られるリモコンなどをパッケージ化した。

   一般家屋の屋上などに基礎工事なしで設置できる「置き基礎式タワー」や、限られたスペースに設置するコンクリート柱などを選択でき、スイッチ一つで風車の運転開始と停止ができる。

   風車は直径1.8メートル、重量約20キログラム、年間発電量は平均風速で毎秒5メートルの場合で約750キロワット時(出力される発電量の目安値)になる。発電した電力は、57.75円/kW時(発電量が20kW未満の場合、期間20年)で全量売電する。ちなみに、電力の買い取り価格は太陽光発電よりも高い。

   新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、2010年の風力発電の設置基数は1814基、総設備容量は244万1700kWになる。とはいえ、国内の電力に占める風力発電の割合は0.4%にとどまっている。

   風力発電が進まないのは、故障しやすいことや周囲への騒音などが原因。発電効率もよくないとされる。

   北海道興部町風力発電所は2001年3月に完成。風車1基で、建設費約1億9000万円のうちNEDOがほぼ半額を出資。町が約5000万円を負担した。町の農業研究施設に電力を供給し、余剰分を北海道電力に売電していたが、12年1月に約10年で廃止となった。

   理由は修繕費の調達が難しいため。売電収入は約9年半で合計6170万円。維持管理費が6430万円と、収入が上回ることは難しかった。

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