太陽光発電の買い取り価格が「高すぎる」!
再生可能エネルギーの買い取り価格は、太陽光や風力、水力など電源ごとに違う。しかも電力会社が買い取る価格は、買い取り開始年度に適用された価格が10~20年間続く。そのため、現行の買い取り価格が「高い」と値踏みすれば、12年度中に設備を整え運用を開始してしまえば、発電所は儲かることになる。
とはいえ、それが可能なのは太陽光発電だけ。いま、太陽光発電の設備投資にかかるコストは安くあげられる。「風力や地熱は建設に5年以上かかるのに、太陽光はわずか2か月で運用できるようになります。しかも太陽光パネルの在庫は欧州で余っていますから、仕入れも安くあげられる」(前出の電力中央研究所の朝野氏)。
買い取り価格が下げられれば、国民負担も下げられる。朝野氏は「日本の太陽光発電の買い取り価格(42円)は高すぎます」と指摘。「急ぎ、下げるべき」と主張する。
買い取り制度で先行するドイツの太陽光発電の買い取り価格は、1kW/hあたり13~19円(1ユーロ=100円換算)と日本の半値以下だ。
すでに電気料金の内訳をみると、「燃料費調整額」として液化天然ガス(LNG)など火力発電向けの燃料価格の上昇分が転嫁されている。また、現行では太陽光発電の余剰電力を買い取る「太陽光発電促進付加金」が上乗せされ、8月からはさらに「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が加算される(2015年4月以降には一本化される予定)。
原子力発電の運用状況や燃料価格によっては火力発電の稼働が増えて「燃料調整額」がますます上がるので、国民負担は増すことになる。「5年後、月額400円」ではすまない可能性もある。