水樹奈々コンサートが「オタ芸」で荒らされる 規制の対象「DD」とは何者だ?

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   NHK紅白歌合戦に3年連続出場中の声優の水樹奈々さん(32)は、今や東京ドームや日本武道館でワンマンライブを開催できるほどの人気だ。ところが、最近のファンの中には、会場で独特の踊りや声援を送る「オタ芸」などを披露する人が増え、せっかくのライブが「荒らされる」結果になっているという。

   そのため、声優の所属事務所やイベンターは、コンサートを観覧する際の規制を強化していて、昔からのファンからは歓迎されているのだが、新規のファンからは「締め付けが厳しくて楽しめない」「俺たちを排除する気か」などといった不満が漏れている。

「ライブやイベント参加をお断りする事もあります」

   水樹奈々さんの公式ホームページには2012年8月1日付けで「いつも水樹奈々を応援してくださっている皆様へ」という告知が掲載された。

   ライブに来ている全員が笑顔で過ごせるように「ご協力・ご配慮・ご遠慮頂きたい」とし、迷惑なる行為があった場合は公演中でもライブスタッフが声を掛け、同意してもらえなかったり、改善がなされなかった場合には

「退場して頂く事や、今後のライブやイベント参加をお断りする事もあります」

とした。

   大人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の長門有希役や「みなみけ」の南千秋役で知られる茅原実里さんのコンサートツアーでは、12年春にかなり細かい規制が発表された。腕を振り回したり、上半身を反らすなどの「オタ芸」は一切禁止。他の客の観覧の妨げになる手拍子の禁止。ペンライトやサイリュウムを持つのは片手に一本で、サイリュウムは改造したものや、25センチを超えるものは持ち込まない、などというものがあり、事故につながる危険な場合は公演一時中断か中止にすると書かれている。

   ネットではこうした規制は厳しすぎるし、コンサートを盛り上げられない、などと一部で不満が噴出した。

   一方で、こうした規制は大歓迎であり、そうしなければコンサートが益々荒らされることになる、と心配するファンも多い。

声優ファンは統制が取れている事が誇りだった

   3年前から声優のコンサートに通っているという都内の20代男性はこう打ち明ける。もともと声優にはそれぞれ固定ファンが付いていて、コンサートがあればファン全員で支え、盛り上げようという風潮があった。「オタ芸」を披露する人はいなくて、サイリュウムの色も登場する声優や、曲目ごとに決まっていて、全員で同じ色を掲げ盛り上げてきた。

「声優オタというのは、とても従順で、統制が取れているのが特徴です。例えば、好きな声優の王国の国民、仲間という意識です」

   変化が起こったのは1年ほど前からで、「DD(誰でも大好き)」と呼ばれる人たちがコンサートに現れるようになった。特にその声優の大ファンというわけではないが、一部のDDは盛り上がっている会場で「バカ騒ぎ」がしたくて来場する。スタンディング会場ではコンサート中に無理やり最前列に行き、曲と合っていない「オタ芸」を披露し大声をあげ、サイリュウムもわざと皆と違った色を掲げたりする。そのサイリュウムも改造したものであったり、両手に何本も持って振り回したりするものだから、周りの人に迷惑になり、火傷をするなどのトラブルも起こったという。

「結果的にコンサートが荒らされてしまうわけです。本人たちは楽しいでしょうが、昔から声優のコンサートを支えてきたファンにとって、一部のDDは許しがたい存在なんです。声優さんにとって新規のファンは大切ですが、そんなDDを抱えてもいいことはないと思います」

と話している。

(8月3日 追記)

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