声優ファンは統制が取れている事が誇りだった
3年前から声優のコンサートに通っているという都内の20代男性はこう打ち明ける。もともと声優にはそれぞれ固定ファンが付いていて、コンサートがあればファン全員で支え、盛り上げようという風潮があった。「オタ芸」を披露する人はいなくて、サイリュウムの色も登場する声優や、曲目ごとに決まっていて、全員で同じ色を掲げ盛り上げてきた。
「声優オタというのは、とても従順で、統制が取れているのが特徴です。例えば、好きな声優の王国の国民、仲間という意識です」
変化が起こったのは1年ほど前からで、「DD(誰でも大好き)」と呼ばれる人たちがコンサートに現れるようになった。特にその声優の大ファンというわけではないが、一部のDDは盛り上がっている会場で「バカ騒ぎ」がしたくて来場する。スタンディング会場ではコンサート中に無理やり最前列に行き、曲と合っていない「オタ芸」を披露し大声をあげ、サイリュウムもわざと皆と違った色を掲げたりする。そのサイリュウムも改造したものであったり、両手に何本も持って振り回したりするものだから、周りの人に迷惑になり、火傷をするなどのトラブルも起こったという。
「結果的にコンサートが荒らされてしまうわけです。本人たちは楽しいでしょうが、昔から声優のコンサートを支えてきたファンにとって、一部のDDは許しがたい存在なんです。声優さんにとって新規のファンは大切ですが、そんなDDを抱えてもいいことはないと思います」
と話している。
(8月3日 追記)