稲盛名誉会長が「JAL批判」に猛反発 ANA増資、野村証券、未公開株報道に怒る

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   2012年9月にも再上場を控えている日本航空(JAL)が12年8月2日に開いた定例会見で、「公的資金の支援で業績が回復するのは競争環境をゆがめている」といった数々の批判に反論した。さらに、稲盛和夫名誉会長は、全日空(ANA)が発表した2000億円規模の大型公募増資について「びっくりし、戸惑っている」と強い不快感を示した。

「財産評定効果だけが、好業績の要因ではない」

記者会見に臨むJALの稲盛和夫名誉会長
記者会見に臨むJALの稲盛和夫名誉会長

   JALの再上場は、7000億円規模の大型上場になる可能性も指摘されている。企業再生支援機構はJALに3500億円を出資していることから、上場で出資分を回収できるのに加えて、政府はさらに3500億円規模の歳入を得られる可能性がある。

   その一方、JALが法人税減免などを受けながら、最新鋭中型旅客機ボーイング787型機の導入など大型投資を進めていることについて「競争環境をゆがめている」などとしてANAが批判を強めているほか、自民党のプロジェクトチーム(PT)も7月13日に再上場反対を決議したばかりだ。

   これらの批判を受けて、植木義晴社長は、

「3500億円にプラスアルファをつけて早期に国庫にお返しできるようにしたい」

と述べる一方、

「財産評定効果だけが、好業績の要因ではない」

と主張。その根拠のひとつとして、12年3月期の連結営業利益の内訳を挙げた。更生計画で「必達目標」として掲げた数字は757億円で、そのうち財産評定効果によるものが460億円だ。だが、実際の業績では2049億円を記録し、過去最高を更新した。JALでは、その大半を占める1366億円が、人件費や各部門での費用削減によってもたらされたものだと説明している。

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