オリンパスとの統合で医療機器世界5位に テルモのラブコールの狙い

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オリンパス内で高まる自主独立路線

   「テルモが何を考えているのか、まったく分からない」。あるオリンパス幹部はテルモが経営統合を発表したことに不満を漏らした。テルモは既にオリンパスに2.1%を出資する株主でもある。経営統合を公表し他の株主の賛同を得ようとの作戦でもあるが、なんとか自主独立路線を歩みたいオリンパスにとっては「はた迷惑」とも映っているようだ。

   オリンパスにとっては2012年3月末時点で4.6%(事件発覚前の昨年3月末は11.0%)に低下した自己資本比率を高めることが喫緊の課題。資本提携はあくまでその手段であって、経営統合など本格的な業界再編を意図したものではない。また、オリンパスにとっては赤字続きのデジタルカメラ事業の再建も急務な課題である。したがってオリンパスとしては「発行済み株式の1割程度のほどほどの出資」と「デジカメ再建」を望んでいるのだ。

   何かと凋落が伝えられるソニーだが、実はデジカメは世界シェア2位に君臨する。オリンパスは調達や物流網の共同化、開発の一元化などで相乗効果は大きいと見ている。

   それだけにソニー優位は揺るがない情勢だが、唯一番狂わせがあるとすれば、オリンパス内で高まる自主独立路線によって、ソニーさえも袖を振ることだ。その場合も、テルモとの経営統合はありえない、というのが業界の一致した見方だ。

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