輸出を活発にして経済成長を高める
とはいえ、中国にとっても過度な人民元安は避けたいところ。原油などの国際的な資源価格の高騰のため、行き過ぎた人民元安は輸入価格が上昇して、さらにインフレを進行させる恐れがあるからだ。人民元高を求める米国の「目」もある。
そのため、当面は1米ドル=6.3~6.4元の水準でレートをほぼ固定するのではないか、との見方もある。
一方で、中国は6月、7月と2か月連続で利下げを実施。前出の第一生命経済研究所の西濱氏は、「利下げも人民元の安値誘導も金融緩和策になります。利下げで国内景気を、とくに個人消費を刺激し、人民元安で輸出企業を下支えする。そうしながら、経済成長を高めていくのでしょう」と説明する。