中国・人民元が下落 輸出下支えのため「安値誘導」

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   中国・人民元が下がっている。欧州の債務危機の影響でこれまで中国経済をけん引してきた輸出関連企業の減速感が顕著になってきたことが背景にある。

   世界的にみれば、なお高い経済成長を続けている中国だが、2012年の国内総生産(GDP)の伸びは4~6月期の前年同期比で8%を割れた。

ジワジワと下落が続く

中国・人民元がジワジワと下落している
中国・人民元がジワジワと下落している

   東京外国為替市場は2012年7月27日、1米ドル=6.38元、1円=8.15元だった。「人民元は相変わらず高値圏で推移しているものの、緩やかに下がっています」と、第一生命経済研究所経済調査部の主任エコノミスト、西濱徹氏はいう。

   5月20日には1米ドル=6.32元だったが、6月20日に6.36元。そして7月27日が6.38元と、ジワジワと下落している。

   7月20日の上海外国為替市場では、人民元が対米ドルで一時1ドル=6.3743元まで下落し、基準値(1ドル=6.3112元)からの変動幅が1%に達した。

   中国人民銀行(中央銀行)が4月に人民元の変動幅の上下限を基準値の0.5%から1%に拡大して以来、1%の下限に達したのは初めてのことだった。

   人民元の下落は、中国内の輸出関連企業にとっては喜ばしい。中国はリーマン・ショック後の世界同時不況で輸出が伸び悩んだ2008年7月から2010年6月には、人民元のレートを1米ドル=6.8元台にほぼ固定して、輸出企業を下支えしていた。それによって、高い経済成長を持続してきたともいえる。

   欧州への輸出依存度が高い中国経済にとって、いまのユーロの下落、欧州経済の低迷は大きな痛手であることは間違いない。

   しかし、中国の経済成長を考えると、人民元の「価値」はもっと高くてもいいはず。しかし、前出の西濱氏は「人民元は容認できる範囲で安値誘導されています。さらに、(欧州危機によるユーロの下落で)米ドルの上昇が見込めるあいだは、人民元にも下落圧力がかかるでしょう」とみている。

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