節電家電では薄型テレビの落ち込みはカバーできない
最大手のヤマダ電機がベスト電器を、ビックカメラがコジマを買収したように、家電量販店では再編の動きが加速している。薄型テレビの販売不振でマーケット全体が縮小傾向にあるなか、「生き残りには販売力の強化、つまり店舗網を拡大してシェアを高めるしかない」(ある家電量販店)という。
2012年の夏は、どの家電量販店でも節電意識の高まりで高機能扇風機やLEDシーリングライトの売れ行きが比較的好調に推移している。
とはいえ、これらの商品で薄型テレビの落ち込みをカバーできるかといえば、そこまで爆発的に売れているわけではない。むしろ扇風機は、販売価格は前年に比べて微減にとどまるものの、販売台数では前年を下回っているといってよい。
冷蔵庫や洗濯機といった白物家電が売れている家電量販店もないわけではないが、これらを売るにはそれこそ店舗網がモノを言うようだ。
期待は売電が本格化してきた太陽光発電システムくらい。ヤマダ電機はすでに住宅メーカーを子会社化するなど、スマートハウス事業に参入。各量販店も販売に力を入れ始めている。