五輪男子サッカーで、日本代表が金メダル候補とされるスペインを撃破し、日本のスポーツ紙から「グラスゴーの奇跡」と讃えられた。しかし、この見方には、サッカー関係者らから疑問の声も出ている。
ジャイアント・キリング、ビッグ・サプライズ――。日本代表が男子1次リーグD組初戦で、強豪スペインを1-0で下すと、海外の各主要紙は、こんな見出しなどでその快挙を報じた。
ネット上では、もっと得点できたはずとの声強く
これを一言で言うなら、「番狂わせ」ということになる。
スペインはこのところ、2010年にW杯で優勝したほか、12年にはユーロ連覇を達成し、最強との呼び声が高かった。五輪チームにも、そのときのメンバーが加入しており、海外主要紙でも、日本の勝利を予想する記事はほとんどなかった。
ところが、日本は、前半34分に右からのコーナーキックをFW大津祐樹選手(22)が右足で決めて先制すると、そのままスペインの猛攻を抑えて、逃げ切ってしまったのだ。
この快挙について、日本のスポーツ紙は、イギリスの開催地名を取って「グラスゴーの奇跡」と大見出しを打った。1996年のアトランタ五輪で、日本が優勝候補のブラジルを破ったときは、「マイアミの奇跡」と呼ばれた。今回の命名は、そのことを意識したもののようだ。
とはいえ、日本は、スペインにボールを支配されていても、隙を見て反撃し、後半は、再三決定的なチャンスを作っている。それだけに、ネット上では、もっと得点できたはずとの声が強く、日本の勝利が「奇跡」という見方には疑問も出ている。
サッカージャーナリストの後藤健生さんも、スペイン撃破を「奇跡」とは見ない立場だ。