ロンドン五輪、SNS使用に「制限」 選手からは「馬鹿げている」と苦情も

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ツイッター上の「差別発言」で五輪代表外れる

   五輪では、テレビ放映権やスポンサーシップといった権利関係が世界レベルで絡み合い、莫大な金額が動く。個人が競技の様子をむやみに動画で撮影、ネットに投稿すると放送メディアとぶつかることになる。もしも有名選手が五輪スポンサー以外の商品の写真を撮影して、好印象を与える感想を書き込んだりすれば、広告主にとっては一大事だ。IOCが神経をとがらせるのも、無理はないのかもしれない。

   一方で、IOC自身が決めたルールの範囲内であれば、SNSの活用を推進したいとの姿勢は確かなようだ。その取り組みとして、参加選手のツイッターやフェイスブックのアカウントを集めた「オリンピック・アスリーツ・ハブ」という特設サイトを立ち上げた。表示されている人気選手の名前をクリックすると、本人のSNS上の投稿がひと目で閲覧できる。サイトに登録されている選手を検索することも可能だ。7月26日現在でフォロワー数トップは、男子バスケットボール米代表で世界的にも人気のレブロン・ジェームス選手。フォロワー数は1740万だ。ほかにも女子テニスのロシア代表、マリア・シャラポワ選手や、陸上男子100メートルの世界記録保持者でジャマイカ代表のウサイン・ボルト選手らが名を連ねる。

   しかし、IOCのSNSに対する懸念は開会式を前にして早くも現実となった。陸上女子三段跳びに出場を予定していたギリシャ代表の選手が、ツイッターでアフリカ系移民に対して差別的な内容を書きこんだとして、ギリシャ五輪委員会が7月25日にこの選手を代表から外したのだ。

   観客に対する使用制限は、もっと難しいだろう。27日の開会式の内容は「極秘」で、リハーサルが行われた際には見学者が、中身の情報や写真をSNSに投稿しないよう求められたとロイター通信は伝えている。しかし一部のSNSには、要望に背いてリハーサルの感想や写真を投稿した人がいるようだ。

   本格的な「SNS五輪」としては初めてとなる今大会で、その「功罪」が明らかになるかもしれない。

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