高橋洋一の民主党ウォッチ
生ぬるい民主党のいじめ問題への対処 日教組など教職員労組の支持が影響?

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いじめ問題解決できないなら首長が責任をとる

   今回、大津市の事件では、学校や教育委員会の自浄作用では無理だったので、滋賀県警が捜査に着手し刑事告発も行われ、いじめの実態や学校・教育委員会の隠蔽体質が明るみに出てきた。

   こうして明らかになってきたのは、学校と教育委員会がもたれ合い、教師の共同体の維持を目的として隠蔽体質にいたり、いじめ問題に対して誰も責任をもっていないことだ。そのしわ寄せは、いじめを受けた生徒の自殺という形になっている。

   今の民主党政権は、日教組など教職員労組からの支持を得ている。民主党幹事長の輿石東氏は、教員、山梨県教職員組合出身だ。そのためか、いじめ問題への対処が生ぬるい。

   せめて、首長がいじめ問題の解決を選挙公約として掲げ、それを教育委員会に指示し、首長と教育委員会が協力していじめ問題に対処できるようにすべきだろう。もしいじめ問題を解決できないなら首長が責任をとる(といっても生徒が自殺してしまった後では、どんな責任をとってもせんないが)。

   残念ながら、今の制度ではこうした当たり前のことを行う地方自治体はほとんどない。今(2012)年になってようやく、大阪府と大阪市では、首長主導で教育目標を設定するなどの条例が作られたが、それら以外にはないようだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2005年から総務大臣補佐官、06年からは内閣参事官(総理補佐官補)も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「財投改革の経済学」(東洋経済新報社)、「さらば財務省!」(講談社)など。


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