J-CASTニュースは2012年7月26日で創刊6周年を迎えた。
月間閲覧数は8500万PV 、ユニークユーザー(読者数)は月間1000万人以上が定着するまでとなった。これはJ-CASTニュースに直接接続している読者の数だが、配信先のYahoo!、MSNをはじめほとんどの大手ポータルサイト、携帯サイトでJ-CASTニュースを読んでいる読者も多いので、その数は巨大、嬉しいけれども社会的責任も感じる。
新聞を読めば全てがわかる時代は終わった
大きな社会的話題が出るたびに階段を上るように読者を増やして来た。事件、スキャンダル、社会・経済問題など分野は多岐に渡るニュースを積極的に、素早く記事にしていったのが読者増につながっている。最近では、大津のいじめ事件、大阪の橋下市長ウォッチ。集中的に記者を配しているので、他メディアに負けない記事本数である。これらの記事がYahoo!ニュースのアクセスランキング上位を占めている。
新聞は長らくポータルメディアだった。新聞記事で社会の動きがわかる、新聞に載るものがニュースである、とまで言われてきた。Yahoo!ニュースに新聞発の記事は多いが、それ以外の媒体からの記事も大量に集積されている。検索を使うと情報の量と範囲はさらに広がり、新聞を読めば全てがわかる時代は終わった。
J-CASTはポータルを目指していない。ポータルの中にユニークで魅力的な位置を占めたいと考えている。視点と記事のスタイルに独自性を出し、読者からのコメントをコンテンツの主要な要素と位置づけている。
ハーバード大学サンデル教授のNHK「白熱教室」は正義論の大ヒットとなったが、次いで放送されたコロンビア大学ビジネススクールのアイエンガー教授は、「選択」の落とし穴を科学的調査で説明、選択メソッドが人気だった。たとえば、動物園のゾウの寿命が野生より短いのは、野生のような「選択」の自由が無いからだという。記事も同じで、ポータルの中で自由に選んでもらう。これは読者にとってストレスの小さい記事の提供方法ではないか。