移籍後2試合の打順は8番、左翼コンバートも
7月第2週に行われたオールスター期間中、イチロー選手がマリナーズ側に「決断」を伝えてから、ヤンキースのユニホームに袖を通すまでわずか2週間。GMですら交渉妥結の道筋が見えなかった状態から短期間で一気にトレードがまとまった背景には、「格安」「条件丸のみ」でも構わないというイチロー選手の移籍への強い意志が働いたのかもしれない。
だがヤンキースでの地位は、決して安泰ではない。今季初めはマリナーズでクリーンアップを務めたほどだが、移籍後2試合の打順は8番と「条件通り」の下位だ。守備位置こそ本職の右翼だったが、正右翼手が近日中に戦線に戻る予定で、そうなればキャッシュマンGMが描くように左翼へコンバートされるとみられる。
何もかも新しい環境のうえ、「全国区」のヤンキースでのプレーはマリナーズと比較して注目度が段違いだ。しくじれば、口さがないニューヨークのメディアの容赦ない攻撃にさらされる。従来とは別世界ともいえる中でイチロー選手は巻き返しを図り、残り60試合余りで好結果を出さなければならない。チームがプレーオフに進出すれば、短期決戦での活躍を当然期待されるだろう。