「すぐ担任駆けつけた」に対し「担任は相手にしなかった」
市教委や校長が会見などで話した内容とは食い違うような証言も出てきている。
7月20日付の読売新聞に、「『自殺の練習』の場面を2011年9月以降、数回見た」という、自殺した生徒と同級だったという女子生徒の証言が掲載された。この学校では7月6日に校長が泣きながら「自殺の練習は隠していたのではなく、もともと嘘だ」と言ったと生徒が証言しており、女子生徒の目撃証言とは食い違っている。
7月21日には、産経新聞が「男子生徒がトイレでいじめられているのを目撃した際、担任に止めるよう訴えたが、『そんなのほっとけ』『今から帰りのホームルームやし、貴重品を配るのが先』と相手にされなかった」という、自殺した生徒と同じクラスだったという女子生徒の目撃証言を掲載した。校長は7月14日の会見で、トイレでのいじめについて「(いじめという)連絡に対してすぐに現場へ担任が駆けつけました」と話しており、女子生徒の目撃証言が事実ならば校長が嘘をついていることになる。
また、同じ日に共同通信が「いじめられているのを先生も目撃していた」という、自殺した生徒の同級生の証言を報じた。中学校は11年10月、約50人いる全ての教師に聞き取り調査をしたところ「いじめを認識していた」と答えた教師は1人もいなかったとしている。しかしアンケートにも「男子生徒が教師にいじめを訴えたと聞いた」といった回答があり、これも学校側と生徒との間で意見が食い違っている。
なお、滋賀県警は教師や目撃した生徒らから事情を聴取し、加害生徒とされる同級生の立件の可否を判断する方向で動いている。学校側と生徒の証言がこれほどまでに食い違ってきた以上、あとは警察などの調べでいじめの全容が解明されることを待つしかないのだろうか。