ギリシャへの「圧力」は引き続きかかる
2012年7月23日、EU財務相会合は1000億ユーロ(約9兆5000億円)のスペインの財政支援策を承認したものの、外国為替市場でのユーロの安値更新を阻止できずにいた。その背景にも、ギリシャの陰が見え隠れする。
EUやIMFによるギリシャへの財政支援はもう限界なのだろうか――。ギリシャの政策評価などは24日からだが、今のところギリシャは「EUに残りたい」と考えていて、突発的にEUを飛び出すこともない。スペインやイタリアなど他国への影響も大きくEU自身も困るからだ。
「ただ、3~5年後はわかりません」と、SMBC日興証券・金融経済調査部の債券ストラテジスト、嶋津洋樹氏はいう。「ギリシャが残りたいといっても、EU側が見放すかもしれません。現在も、EU諸国は少しずつギリシャから撤退しています。債務が減り、また実際の貿易取引なども減っていって、ギリシャとの関係が薄れれば、出て行ってもらってもかまわない、となります」と説明する。
それまではマーケットが「約束はしっかり守れ」と圧力をかけ続ける。「それにより、一時的にマーケットが緊張する局面が起こる可能性はあります」と指摘する。