10代は果たして新聞を読むのか
一連のコラムへの反響は小さくない。自らの体験を踏まえた重い言葉や、「いじめる」側への呼びかけも含めた内容に、好意的な感想を記す人が目立つ。
同業者である毎日新聞社会部のツイッターは連載初日の14日、
「朝日新聞が1面に掲載した著名人や有識者からのメッセージ『いじめられている君へ』に胸を打たれました。私も小学校時代の大半をいじめられ、月曜日が来るのが怖かったのを思い出しました」
とつぶやいている。
一方で、「いじめられている(いじめている)子どもたちは、新聞を読むのだろうか」といういささかうがった見方もある。博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所の「メディア定点調査2012」によると、15~19歳が新聞を閲覧する時間は1日あたり男性で8.9分、女性では4.9分と、ほとんど読んでいないに等しい数字だ。さらに年齢の下がる中学生、小学生ともなれば、さらに減少することが予想される。そのため、
「大手新聞の一面を小・中生が見るのかなぁ。彼らの心にどう届けようとしているのかなぁ」
「これは誰に向けたメッセージだろう。こども向けなら、こども新聞に」
「確かにいいこと言ってると思うけど、これ『いじめられている君』が見るかなぁ?これ読んで、ほんとそうよ、大人が、社会が悪いのよねーって、オトナがガス抜きするための特集にしか思えなくなっちゃった」
など、結局は「大人向け」の特集なのではないか、本当に子どもたちにメッセージは届くのか、と危ぶむ声も散見された。