売上減少でさらなる再編へ
家電量販店が再編を急ぐ背景には、市場縮小がある。「目玉商品」である薄型テレビの国内出荷台数は家電エコポイント終了や地上デジタル放送への完全移行を経て、反動減に苦しむ。今年1~5月は前年同期比66%減と低迷。M&A(企業の買収・合併)も含めて拡大を続けた首位のヤマダも2012年3月期は売上高が減少に転じた。前期比15%減の1兆8354億円で、前期(2兆1532億円)に達成した2兆円も割り込んだ。
ネット通販の台頭も再編の背中を押している。ネット社会で先行する米国ではアマゾンなどの勢力拡大で家電量販店の破綻が珍しくなくなっている。国内でもアマゾンは売上高などを公表していないが「確実にシェアを拡大している」というのが業界共通の見方だ。
こうした中、山田会長ならずとも、家電量販店のさらなる再編は避けられないと見られている。現在すでにヤマダ・ベスト連合、ビック・コジマ連合、エディオン、ケーズホールディングス、ヨドバシカメラの5グループにほぼ集約されている。後は大阪が地盤で売上高4000億円余りの上新電機が「準大手」として続く。テレビ以外の目玉商品に乏しく、当面は縮小均衡が続くと見られる中、再編に向けて各社の動きが注目されている。