中国国民の9割が「軍事行動に賛成」 尖閣諸島領有めぐり事態は緊迫化

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   日中の国民感情が悪化を続ける中、尖閣諸島をめぐり「軍事力使用」という穏やかでない言葉も使われ始めている。中国では、「軍事手段の採用」を「支持する」とする声が9割を超えるなど、事態は緊迫化している。

   言論NPOと中国日報社が2012年4月から5月にかけて行った日中共同世論調査によると、日本で中国に対する印象を「良くない」と考える人の割合は、11年の78.3%から84.3%に大幅に増加している。これは反日デモが相次いだ05年の水準を上回っており、同年の調査開始以来最悪となった。尖閣諸島沖の漁船衝突事件が影を落としているものとみられる。

軍事衝突が「あり得る」と回答した人の割合も52.1%

   ただし、尖閣諸島をめぐる問題については、日本人の40.7%、中国人の52.7%が「両国ですみやかに交渉し解決すべき」と回答しており、両国民とも、問題解決を願うという点ではおおむね一致しているようだ。

   ただし、その問題を解決する方法では、両国に大きな隔たりがあるようだ。読売新聞が12年7月中旬に行った世論調査では、政府が尖閣諸島の国有化を目指していることについて、過半数の65%が「賛成」と答えている。

   一方、中国の人民日報系の「環球時報」と台湾の「中国時報」がほぼ同時期に行った世論調査では、「中国が主権を守るために軍事行動を含めた手段をとること」の是非を聞いたところ、中国では実に90.8%が「賛成」と回答。軍事衝突が「あり得る」と回答した人の割合も52.1%と過半数で、緊迫した状況だ。なお、台湾での調査結果をみると、それぞれ41.2%、40%。両地域での問題に対する温度差が浮き彫りになっている。

   環球時報は、ここ数日でも

「(仮に軍事衝突した場合)自衛隊は人民解放軍の敵ではない」

などとする専門家のコメントを掲載するなど、一貫して強硬姿勢をとっていることが知られている。

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