ときどき、いわき民報にいわき市内の井戸水の放射線量結果が載る。なんとなく気になっていた。夏井川渓谷(小川町上小川字牛小川)の無量庵では井戸水を使っているから。
火曜日(7月10日)夜、牛小川の区長さんから電話がかかってきた。――井戸水の放射性物質を市が測定する。ついては、水2リットル(=写真)を用意するように。いよいよきたか。7月12日の午前中に採水して正午までに市の小川支所へ届ける「期日指定」だ。
きのう、朝食をとるとすぐ、牛小川へ出かけた。9時前、無量庵に着いた。区長さんが待っていた。手渡されたチラシ(表題「放射性物質の測定を行う井戸水等のとり方について」)を急いで読む。
「お気をつけいただくこと」「用意するもの」「水のとり方」「提出について」の4項目について、事細かに書かれている。
「水のとり方」は次の通り。(1)水をとる直前に、蛇口から水を3分間ほど強く出しつづけてください(2)手指を水でよく洗ってください(3)ペットボトルの中を水で3回以上すすぎ洗いしてください(4)ペットボトルに水をとります。空気が残らないように満杯にします(5)とり終わったら、ペットボトルのふたをしっかりと閉めてください――。
残る二つ。(6)水をとった時刻を覚えておいてください(7)水を入れたペットボトルは、いわき市指定ごみ袋に入れて、空気を抜いて軽く口をしばってください。
とんぼ返りで支所へ寄る。住所・氏名・電話番号・採水時刻などを書きこんだ調査票とともに水を提出する。区長さんから託されたもう1軒の水も一緒に。
結果は、来週には出る。郵送されるという。後日、測定値・地区名(小字名)・採水日時・水源の種類(浅井戸・深井戸・湧水・沢水)が公表される。望むところだ。こうして少しずつ身の回りのデータが蓄積されていく。汚染の濃淡が数字となって頭に刻まれる。
そういえば、若い仲間は道路の空間線量を移動しながら測定する「放射線情報共有マッププロジェクト」というものに参加している。海岸部、市街地、山間部と、休日にはいわき市内を走り回っているらしい。これもまた市民レベルの「見える化」事業の一つだろう。
(タカじい)
タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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