売買額の「数字だけが走って行く」
また、今回の会見の目的のひとつに「誤解を解くこと」があるという。島の売買額に関して「どうしても、数字だけが走って行く」というのだ。栗原さんは、
「相続の問題を考えると(経済的)評価があるが、経済的評価がつけようがない状況。そこの部分は東京都も栗原家側も、精査している最中なので、どの数字が正しいかということについては、双方で一切発表していない」
「このままエスカレートしていくと、栗原側が『欲張りでこういうことをやっている』ように思われるのではないかという不安がある」
などと述べた。
民間所有の島を地方自治体や政府に売却することで、外交的リスクが高まるとの見方もあるが、栗原さんは
「1民間人が40年守ってきたことをご理解いただきたい」
「兄弟は4人しかおらず、順次亡くなっていくので、かえって栗原家で持っている方が危険」
などと反論した。また、売却後は、島単体だけではなく周辺海域を含めて経済効果を考える「島嶼(とうしょ)経済学」の考え方をもとに、豊富な水産資源を活用して台湾漁船などを巻き込みながら経済活動が活発化することも期待していると話した。
尖閣諸島をめぐっては、7月20日午後にも、石原慎太郎都知事が弘行さんの兄と話し合いに入る予定だ。