越直美市長「教育委員会制度は不要」
そのことを、教育評論家の尾木直樹さんも言っている。12年7月19日放送のTBS系「朝ズバッ!」で、「全国的に教育委員会は形骸化してお飾りになってしまっている」と指摘したのだ。
委員も、教育長以外は非常勤で、会社役員や医師など教育の素人が多い。いわば、名誉職化してしまっているわけだ。尾木さんは、「教育のプロの教育長の説明に、委員は何を質問していいかも分からず、追認するだけ」としている。
今回の場合も、岡田隆彦教育委員長は、会社員をしていて忙しく、しかも大津市PTA連合会長の経歴から学校側と同じ立場に立つ可能性があった。
教育への政治介入を強める条例改正をした橋下徹大阪市長は、教育委員会の制度自体を問題視し、「なぜ教育委員が前面に出ないのか」と批判した。また、いじめとの因果関係を認める方針を示した大津市の越直美市長に読売新聞がインタビューしたところ、越市長は、事実確認がいいかげんで教育委員会には裏切られたと明かした。さらに、「民意を直接反映しない無責任な制度はいらない」とまで言い切ったという。