次期衆議院総選挙に歌手の松山千春さん(56)が出馬するという話が各所から出ている。後ろ盾になるのは長年の「盟友」、鈴木宗男氏の新党大地。鳩山由紀夫元首相と同じ選挙区から出るという説も出て、その動向に注目が集まっている。
2012年7月14日の宗男氏のブログによると、同日、札幌市内で行われた新党大地の会合で、松山さんが次期衆院選について「自分が先頭に立って闘う。どこの選挙区かは決めていないが、鈴木宗男の代理は自分が果たす」と宣言したのだという。
宗男氏「千春さんも鳩山さんの所から出たいと言っている」
宗男氏は、受託収賄で懲役2年の刑に服し、2011年12月に仮釈放された。今後5年間は選挙に立候補できない。松山さんは宗男氏と同じ足寄町の出身。高校の後輩に当たることもあり、長年、宗男氏の応援をしてきた。それだけに、この言葉を聞いた宗男氏はブログで「何よりの大きなプレゼントを戴いた思いである」「新党大地の命名者である松山千春さんの重い一言に、私も感激した」と喜んでいる。
次期衆院選を巡っては8月解散、9月に選挙という予想も一部で出ている。松山さんが出馬するとなれば、大きな話題を呼びそうだ。さらに、松山さんが鳩山氏と同じ、北海道9区から出馬するという説も出た。
2012年7月19日発売の「週刊新潮」記事に出てくる証言によると、松山さんは鳩山氏の発言のブレや政策の一貫性のなさを問題に感じている。それに加え、鳩山氏が地元北海道のために何をしてくれたのか、という怒りの気持ちがあり、同じ選挙区から出て鳩山氏を倒したいのだという。
さらに、7月15日付けの東京スポーツでは宗男氏が、自由報道協会代表の上杉隆氏らとの座談会の中で、「鳩山さんの9区には新党大地から松山千春さんなら相手に不足はないと思う。千春さんも鳩山さんの所から出たいと言っている」と断言。党の関係者はJ-CASTニュースの取材に「小選挙区なのか比例なのかも含め、まだ具体的なことは決まっていない」と話していたが、出馬はかなり固いようだ。
松山千春出馬で、新党大地に大量比例票?
北海道9区からは、自民党が擁立する元スピードスケート選手で現・北海道議会議員の堀井学氏(40)も出馬を表明している。そこに松山さんも加わるとなれば、大混戦になるだろう。
実際に松山さんが出馬したらどうなるのか、政治評論家の有馬晴海氏は「千春さんは一部の世代にとってはカリスマ。出馬すれば比例票を大きく伸ばすことばできる」と語る。
次期衆院選では、比例選の11ブロックが廃止され全国比例になると見られている。全国的に知名度のある松山さんが小選挙区だけでなく比例でも出馬し、全国から「薄く広く」票を集めれば、比例で3人、上手くいけば4~5人当選させることができるのではないかと見る。
鳩山氏と同じ北海道9区からの出馬については「話題になるので、可能性はある」。鳩山氏、堀井氏、松山さんで票が割れれば、少ない票数でも当選しやすくなる。松山さんが小選挙区で10万票獲得するのは難しいが、当選票数が5~8万に落ちれば、勝ちやすくなるという。一方で、「宗男さんは新党大地を全国政党にしていきたいと話していた。北海道以外の地域から出ることも考えられる」ともしている。
松山さんの出馬報道はネットでも話題になっていて、ツイッターや2ちゃんねるでは「ルーピー大ピンチじゃん!」「こりゃ考えたな。これで一番困るのは自民党のスケーターだぞ」「千春さんはあまり政治に関わらないでほしいな 歌手活動に専念してほしいです」といった声が出ていた。