EV開発で相乗効果
三菱グループには社用車となる高級車が10年以上も存在せず、一部では待望論が強かった。しかし、リコール問題で経営が悪化し、選択と集中を迫られた三菱自に自社開発の余力はないため、日産からのOEMで落ち着いた。日産と三菱自は国内で軽自動車を共同開発する合弁会社「NMKV」を2011年6月に設立するなど、2010年12月に事業協力関係の拡大で合意して以来、親密度を高めている。
日産にとっても、新型として復活したばかりのシーマとフーガを三菱グループの法人契約を中心に販売するメリットは少なくない。既に日産はミニバン「NV200バネット」を三菱自にOEM供給しており、三菱自は軽商用電気自動車「MINICAB-MiEV(ミニキャブ・ミーブ)」を2012年度中にOEM供給する。日産、三菱自とも電気自動車(EV)の開発では他メーカーに先行しており、この分野では相乗効果が期待される。OEMで関係を深める両社の次の一手が注目される。