米国で「ロボット記者」増加 データを解析して記事を自動生成

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毎月1万5000本の記事を生成

   米オートメーテッド・インサイツ社は主に、スポーツ関連の記事を自動生成している。同社の場合、100万を超えるウェブサイトのコンテンツを参照し、20億もの統計データを蓄積するデータベースを駆使して大リーグや全米大学バスケットボールなど人気スポーツ記事を配信する。今日では、毎月1万5000本もの記事を生成しているという。

   ツイッターとも連動。データ解析によって、人気スポーツのチームや選手をリスト化し、関連情報をリアルタイムで提供するサービスだ。例えばリストの中からシアトル・マリナーズのイチロー選手を選んでフォローすると、イチロー選手が出場する試合すべての打席の結果が即時にツイッターのタイムライン上に表示される。

   ナラティブ社やオートメーテッド社のように、膨大なデータをソフトで分析して記事化する仕組みを、欧米メディアは「ロボット記者」などと注目している。大量のデータを短時間で分析するのは、人力では難しい。分野やメディアによっては執筆スピードや記事の本数を優先し、「読み手が感動する文章力」という条件は二の次になることもあるだろう。「いずれはロボット記者が主流になるのでは」との声も聞こえてきそうだ。

   英有力紙「タイムズ」の日曜版「サンデー・タイムズ」2012年5月20日の記事では、米大学教授の話を引用し、ロボット記者が人間に及ばない点として「さまざまな事実とアイデアを組み合わせて調査報道としてまとめあげること」とした。数値データに頼らず、市民の生の声や感情を丹念に拾って表現するような記事は、現時点でロボット記者には書けないだろう。だが既に、大手メディアがロボット記者への「発注」を増やしているのは事実。ソフトが進化すれば、優れた調査報道すら手がける「全自動メディア」が登場するかもしれない。

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