平均価格は前年比1.5倍増
ダイソン製の羽なし扇風機「エアマルチプライアー」は、今年も好調に売れている。価格は3万5000円からと安くないが、温風が出て冬にも使えるタイプもあって、「デザイン性が高いことや、子どものいる家庭など安全性を重視して購入する人が多いです」(ビックカメラ)と話す。
シャープ製や東芝製が人気だが、バルミューダ製やツインバード製といった、これまであまりなじみがないメーカーも台頭してきている。
家電量販店を調査しているジーエフケー・マーケティングサービス・ジャパン(GfKジャパン)によると、2012年4~6月期の扇風機市場は販売台数で、前年比44%減。11年は「特需」ともいえる売れ行きだったこともあって減少しているが、10年4~6月期と比べると26%増。「滑り出し(4~5月)は好調だったが、商戦が活発になる6月が比較的過ごしやすい気候だったことが影響した」(GfKジャパン)とみている。
ただし、付加価値商品の登場によって平均価格は前年比で約1.5倍増。金額ベースでは12年4~6月期は前年同期比で35%減に踏みとどまり、10年同期と比べると85%も増えている。
平均価格(税別)1万円以上の製品の数量構成比は、10年4~6月期が2.6%だったのに対して、12年4~6月期は11.3%と2ケタ台に乗せており、高額扇風機が売れていることがわかる。