2012年の夏も節電の影響で、扇風機が売れている。それも1台2~4万円という「高価」な扇風機が人気という。
「羽のない扇風機」ですっかりおなじみになったダイソン製の扇風機、逆に何枚もの羽をつけた特徴的な機器に注目が集まっている。弱い電気で低速で回るDCモーターを搭載した「DC扇風機」がそれだ。
AC扇風機からDC扇風機へ動く
家電量販店大手のビックカメラは、「2011年は消費者が扇風機のよさを再認識した年でした。今シーズンはもう一歩進んで、静かで節電効率の高いDC扇風機が売れ筋です」と話す。
DC扇風機とは、従来のACモーターを使った一般的な扇風機に比べて、低速で回転できる直流のDCモーターを搭載した扇風機をいう。AC扇風機で44ワットのところ、DC扇風機であれば17ワットと60%も節電できる。
11年はとにかく節電と扇風機に飛びついた消費者だが、使ってみると音がうるさかったり、風を直接からだに当てるとだるくなったり疲れたりするなど、不満もあったようだ。
今年はそういった「弱点」を解消し、節電性能を高め、さらに除菌や消臭、保湿効果のあるものや室温にあわせて風力を自動調整するセンサー機能が付いたもの、タイマー機能を充実したもの、首振りの角度が上下左右に動くもの、風力の微調整ができたりリズムがついたりするもの、充電機能を搭載したものなど、機能性を重視した、付加価値の高い新商品が開発された。
DC扇風機の最大の特徴は、羽の枚数が多いこと。ビックカメラは「羽を多くすることで風が細かく送れるようになったため、ムラがなくなり、柔らかでなめらかな感じになりました」と説明する。
DC扇風機は商品ラインナップも多彩で、デザイン性で売れているのが、羽が9枚と5枚の2重になっているバルミューダ製扇風機。二重構造にすることで、ふわっとした心地よい風がつくれ、しかもその風が10メートル先まで届くパワーも兼ね備えているという。