「iPhone 5」発表前から予約受付 中国通販サイトは8万3000円と明示

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   米アップルのスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」の新モデルが、正式に発表されていないにもかかわらず、中国で先行予約の受け付けが始まっている。

   新しい機能や形状についても、製造工場のある中国から情報が漏れ出しているようだ。内容がどこまで信頼できるかは不明だが、「製品のサンプル」を基にかなり具体的な解説もされている。

ネット広告で「発売は9月23日~10月7日の間」

なぜか中国で先行予約受付(写真はiPhone 4S)
なぜか中国で先行予約受付(写真はiPhone 4S)
「アップルの『iPhone 5』事前予約はこちら」

   こんな広告が掲載されているのは、中国のオンライン通販サイト「淘宝(タオバオ)」だ。中国の大手IT企業「アリババ」が運営し、消費者向けショッピングサイトとしては同国最大規模を誇る。

   広告をクリックすると、より詳しい情報が表れた。予約を受け付けているのは香港の業者のようだ。値段は6688元(約8万3000円)で、広東省深セン市から中国全土に発送可能、とある。さらに「情報によると、iPhone 5の発売は9月23日~10月7日の間になる模様です」とまで書かれていた。

   別の業者は、「カナダから直接送付」をうたってiPhone 5の予約をとっている。値段は8888元(約10万7000円)と少し高めの設定だ。受付ページには、アップルのサイト上に映し出された「全くあたらしいiPhone」とする画像が掲載されていた。しかし、米国やカナダのアップルのサイトを見ても、このような画像は表示されない。実際には存在しないはずの「新型iPhone」の画像を意図的に作成したか、インターネット上で出回ったものを拝借した可能性がある。

   これまでアップルは、iPhoneの次期モデルに関して公式な発表を出していない。2012年6月に米サンフランシスコで開催されたアップルの開発者向けイベント「WWDC 2012」では、過去にiPhoneの新作発表が行われたことから注目されたが、今回は「iPhone 5」について何も触れられなかった。

   それにもかかわらず、なぜ中国の複数の業者が予約を受け付られるかは謎だ。しかしこれまでも、「iPhone 5」の機能やサイズといった情報が「中国発」で流れているケースがある。中国には、iPhoneの生産を手がける台湾の鴻海精密工業の子会社「フォックスコン」の工場が、深センや四川省成都などにある。新型iPhoneを伝えるニュースも、現地の工場や関連業者を情報源にしているものがいくつかみられる。

「ギャラクシーS3に恥をかかせるだろう」

   モバイル機器関連ニュースを配信する米ブログメディア「GottaBeMobile」は2012年7月10日付記事で、「iPhone 5のサンプル版」とされる写真を掲載した。信頼できる筋からの情報提供で、「写真は中国の工場から直接送られた」と書かれている。

   全体のデザインは、現行モデルの「iPhone 4S」を踏襲するが、画面サイズが大きくなるという。それに伴ってサイズは、たて12センチと「4S」より大きくなるが、横幅は変わらない。電波を受信するアンテナの位置は「4Sと同じ」、また、「現状では丸1日もたせるのに苦労する電池」については、サンプル版の「厚み」を見る限り、あまり改善されなさそうな予測を示している。

   米オンラインニュース「ビジネスインサイダー」は、iPhone 5の発売日について6月4日の記事で触れた。米投資会社のアナリストが中国の複数の業者から聞いた話として、「次期iPhoneの発売は2012年9月がもっとも有力」と明言している。

   いずれも中国から得た情報だが、どれほどの確度かは分からない。ただ、アップルが何もコメントしていないなかで、iPhoneの生産を一手に引き受ける鴻海精密工業の郭台銘最高経営責任者(CEO)が興味深い発言をしている。6月19日付の台湾の通信社「中央通訊」によると、郭CEOは年次株主総会の席上、消費者に向けて「iPhone 5の発売まで待った方がよい」とメッセージを送り、iPhone 5が韓国サムスン電子の最新スマートフォン「ギャラクシーS3」に「恥をかかせるだろう」と自信をみせたという。具体的な発売時期や機能面については触れなかったようだが、iPhone 5の登場が近づいていることをにおわせる言動だ。

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