「日航の再上場後の増資は不利になる」
全日空から見れば「日航が有利に戦える環境になっている」という状況だ。しかも、2012年は国内でLCCが相次ぎ就航し、運賃で格段に優位性をもつLCCが既存の大手の経営圧迫要因になるのは必至。LCCに激しく追撃されたうえ、破綻効果で急速に体力を増強した日航に押されれば、「我々の勝ち目はなくなる」と全日空の焦燥感は高まっている。
そこで全日空は起死回生の大型増資に踏み切ったのだ。日航の再上場時の時価総額は6000億~7000億円規模とみられているうえ、全日空と日航は互いに投資家も重なるため「日航の再上場後の増資は不利になる」(関係者)との考えも強く働いた。
日航復活に危機感を抱く全日空は今後、どう戦いを展開するか、関係者の注目が集まっている。