韓国の参加で反捕鯨国の国際的な圧力が高まる可能性
韓国は来年のIWC年次会合に具体的な調査捕鯨の計画を提出するが、韓国が主張する自国の水域とは日本海とみられている。日本は南極海と北西太平洋で調査捕鯨を行っているほか、沿岸小型捕鯨は太平洋が漁場となるため、水産庁は「日本の調査捕鯨や沿岸捕鯨が影響を受けることはない」とみている。
商業捕鯨の再開を目指す日本は、クジラが大量の海洋生物を捕食する科学的データを収集するため調査捕鯨を行っている。しかし、IWCの反捕鯨国は「クジラを殺す調査捕鯨の実態は商業捕鯨と変わらない」と批判しており、韓国の参加表明で調査捕鯨に対する国際的な圧力が、米国や豪州など反捕鯨国の間で高まる可能性がある。
IWCは鯨類の保護と捕鯨産業の発展を目指す国際機関だが、クジラの保護を求める反捕鯨国の加盟が増え、加盟89カ国のうち、反捕鯨国が50カ国を占める。10年の年次会合では、条件付きで商業捕鯨を認める議長提案をめぐって議論が紛糾し、マスコミの注目を浴びた。今回の年次会合はマスコミの注目度が低かったが、韓国の調査捕鯨の開始表明など新たな火種を抱えることになり、隔年開催となっても基本的な対立の構図は変わりそうもない。