「TSUTAYAさんの腕の見せ所だと思いますよ」
「無料貸し出しをきっかけに、レンタルをするというライフスタイルが団塊の世代に浸透し、若い人に人気のアニメやアイドル作品なども鑑賞していただいて家族団らんなどにも役立ててもらえればと思っています」
と同社広報は説明する。
ただ、アンケートにもあるようにどうして団塊の世代はレンタルする人が少ないのか。レコードレンタル店が日本に登場したのは70年後半で、80年代に爆発的に利用者が増えているため、団塊の世代にとって馴染みがあるはずなのだが。
音楽評論家の加藤晋さんは現在60代。
「50代までの世代ならレンタルのライフスタイルは自然に身に付いていると思いますが、団塊の世代は抵抗ある人が多いんですよ」
と説明する。
加藤さんが子供の頃にレンタルといえば貸し本屋でマンガを借りてくること。その行為が「貧しさの象徴」としてイメージされ、レコードレンタルが大ブームになった時もそのイメージで敬遠する人が多かった、という。また、レコードや本にしても欲しいものは「収集」する、という傾向がある。例えば、レコードならば何千枚も自室にストックし、聴きたいときに自由に棚から出して聞く、そんなスタイルに憧れる。また、若い頃は日本映画の黄金期で、映画は映画館に行って見る習慣があり、見た映画の一つ一つと映画館がセットになって自分自身の「財産」になっている、と指摘する。
「団塊の世代をレンタル店に足を運ばせる、これは相当な意識改革が必要で、無料でも難しいんじゃないですかね。TSUTAYAさんの腕の見せ所だと思いますよ」